The story of each witch

In the deep forest〈深き森で〉

 

ワタシはその日の為に。

 

深き森で思念が宿った新たな生命を祝福し詠う。

そうして拓かれた礎にワタシはまた新たな想いを重ね、まだ見ぬ先を目指す。

 

深い深い森の中。

時折聴こえる歌聲は彼女の想い。


Ambition 〈野望〉

 

綺麗なモノをそっと閉じ込めて私だけのお気に入り。

大事に閉まって誰にも気付かれぬように。

 

何時までもそこにいて、何時までも美しく綺麗で在り続ける。

何処にも行かない大切な私だけの宝物。

私だけのアナタ。


Inside and outside <内側と外側>


「躊躇わずに此方へどうぞ。」

 

彼女は優しく微笑み綺麗で柔らかな手を差し伸べる。

 

ひらりと翻りふわりと一歩を踏み出す。その仕草から高貴な気高さが伝わる。

しかし威厳はなく、むしろ親しみやすく無邪気な声で旋律を奏でるように話しかける。

 

「楽しむ為に。幸せの為に。自分の為に。そう…全ては自分の為に。」

ゆっくり、しっかり、はっきりと。

「誰かの為にと言う生き方は…もしかしたら美しいのかもしれない。」

少し弱く、だんだん強く。

「でも、アナタが救われないのならば止めなさい。」

弾むように。

「アナタが満たされてこその世界なのだから。」

彼女は内側から呼びかける。

「アナタは何の為にここへ来たの?」

きっとアナタに憧れてやって来た。

在るモノと無いモノ。

どちらも手にする事は出来ない。

 

 

「さぁ。声に出しましょう。それが第一歩。」

 

外側に出た時、それは叶う。